2014-01-01から1年間の記事一覧

揺れる針先:BricolaQ『演劇クエスト・本牧ブルース編』

上等なコンパスの盤面は透明なダンパオイルで満たされていている。粘性の高いこのオイルは磁針の動きを妨げない、一方で、その位置が定まるときに起こるぶれを小さく抑える役割をする。それは登山やオリエンテーリング、それらに関わる簡単な測量に際して、…

震えをおこす/呪いとグルーヴ:BricolaQ『演劇クエスト・京急文月編』

大谷能生は「それまで無関係だと思っていた過去が突然のようにつなぎ合わされ、一つの現在となって鳴り響くこと。現実に流れる時間のなかで、複数のものが一つになり、一つのものが複数に分岐してゆく(中略)ような振動状態」を「グルーヴィー」であるとし…

気配の所在:贅沢貧乏 家プロジェクト『タイセキ』

贅沢貧乏 家プロジェクト『タイセキ』は 7月 7日(月)から 27日(土)まで、週一日の休演日を置きながらほぼ毎日上演中。場所は西大島の一軒家。詳細な位置は公開されていない。西大島は錦糸町や亀戸の近く、新宿からは都営新宿線で 20分とすこしかかる。都営線…

出会いとシーケンス:池田拓馬× 居間theater 『居間 theaterと巡る、池田拓馬の世界』

パフォーマンスギャラリーツアー『居間 theaterと巡る、池田拓馬の世界』は 7月4日(金)に 3回、5日に 2回行われた。6月14日(土)から 7月6日(日)にかけて谷中 HAGISOで開催された池田拓馬の展示「主観的な経験にもとづく独特の質感/解体」のギャラリーツアー…

視線の先:マープとジプシー『ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと----------』

この次にどこを見ているのだろう、と終演時に考えたことを覚えている。舞台はきれいで、どこから写真に撮っても絵になりそうだった。二度目にはぜひ席を変えて観たいと思った。 マープとジプシー『ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと----------』…

螺旋を切りとる:岸井大輔『始末をかく』

すこし時間があったので横浜美術館の木版画を見るつもりでみなとみらいに来た、ところで、今日それがしたいわけではなかったと思いなおして伊勢佐木町に抜けようとしたのを、見当をちがえて新高島へ出てしまい、引き返してランドマークタワーから桜木町へ、…

リスの足どり:にれゆり『新座キャンパスで、かもめ。』

にれゆり『新座キャンパスで、かもめ。』は 3月1日(土)・2日(日)に各日二回ずつ上演された。2日に上演された二回ともを観ている。人が少ない日曜日のキャンパスの正門を通るときに守衛と目があって、にこやかに歩行者通用口へ案内されたけれど、すこしたじろ…

可能性とシーケンス:森孝介『「瞬か」とは、なんだったのか?』

「ゴンゾ的な動きがそこで可能なのか」という意味のことを、映像のなかで contact Gonzoの塚原悠也が言った。 スガダイロー五夜公演『瞬か』に関する映画『「瞬か」とは、なんだったのか?』は一月に一日だけ上映されたあと、この二月末に一週間再上映された…

池袋アンダーグラウンド/オーバーグラウンドツアー

池袋アンダーグラウンド/オーバーグラウンドツアーを実施します。池袋の地下と屋上を巡るツアーです。ときどき、地上も歩こうかなと思っています。 池袋で待ちあわせをすることはありますか。どの辺りですることが多いでしょうか。僕は池袋で待ちあわせると…